« 大阪の地下鉄にはジャズが似合う | トップページ | なにわのことは夢のまた夢 »

2005年8月26日 (金)

地域へのこだわりと地域からの視点

鋤柄の歴史遺産活用の原点が森先生の「考古学は地域に勇気を与える」であることは、これまでも何度か言ってきたことであるが、昨日来た「観光考古学2」もぜひそれをふまえてもらえたらと思う。遺跡公園の活用も全国を普遍化したものではなく、地域ごとの個性や特徴を活かしたものであるべきで、先ほどまで見ていた東京系のテレビ番組は、関東を襲っている台風のすさまじい状況を写していたが、今日の関西はみごとな好天。
現代社会のような情報環境がなければ、とても関東の様子は信じられない。生活文化とは、基本的に自分の見ていること、自分の経験したことからつくられるものであって、そのもっとも典型的なものが風土や地域性といったもの。リアリティというものもここから生まれる。
よく例にあげるが、平安時代の文化を考える時、注意しないといけないのは、その原点が京都にあること。平安時代の文化を物語る史料はほとんどが京都にいて書かれたものばかり。それはあくまで京都の風景と京都の気候と風土を前提にして再現されるべきもの。
高校時代まで長野県で生活をしていた。その間、わずかではあるが、平安時代の文化を学んで一番違和感のあったのが季節感だった。なにしろ長野県は南の伊那谷でも5月の連休まで山に雪がある。里の人々は谷に残ったその雪の形を見て苗代をつくる時期を知ると言われている。香炉峰の雪どころではない。
その後京都で学生時代をすごし、関西で生活をするようになって、ようやく平安時代だけでなく、畿内を中心としたさまざまな時代のさまざまな人々の歴史になんとなくなじんできたような気がしてきている。同時に畿内以外の地域についても、より臨場感のある叙述が意識できるようになった。いろいろなところへ行って、たくさん見て、たくさん吸収した結果だと思っている。良く言われることではあるが、歴史学は蓄積の学問である。現在進めている仮想時空間クリエーターの背景には、そういった蓄積があって、デジタルもVRも、あくまでそういった蓄積があってこそ意味をもってくることを何度でも言わないといけないと思っている。
文化情報の学生君たちも、夏休みを利用して、たくさんの出会いや見聞をひろげ、自分の引き出しをたくさんつくってほしいと思う。

今日はそんなVRを象徴するコニカミノルタの非接触3次元デジタイザVIVID910の実験をした。
http://konicaminolta.jp/products/industrial/instrument/3d/vivid910/
専用の三脚(テレビカメラの乗るようなりっぱなもの)を組み立て、その上に本体を設置。マニュアルはわかりやすく。手順通りにセットをすすめる。正面の上下に2つの穴があり、下の穴からレーザーが発射され、それを上の穴(レンズ)で受け止める。レンズはマクロと標準と広角があり、最初は標準で挑戦。大分前に西安で買ってきた兵馬俑をモデルにして、スイッチオン。しばらく内部で初期調整の動作音がなる。裏面のモニターにセットアップのメニュー画面が出たら、オートフォーカススイッチを押してピントを合わせ、レーザーを照射する。
次にパソコンをスカジーで接続して専用のソフトからリモート。これもいたってわかりやすい仕上がりのソフトで、インポートコマンドでVIVIDとつなぐと対象の映像画面が表示され、パソコン上でピントをあわせ、スキャンボタンを押すとレーザーが照射される。スキャンがおわると、モニターにカメラ映像とデータ映像が現れる。これを確認後、コンバートボタンを押すと、4方向からの姿に分けられたソフトのウィンドに3次元表示された兵馬俑が姿をみせる。ワイヤーフレームや写真を貼り付けたものなど、ひとおりの表現が可能。角度を変えて撮って、合成もできるそうだが、今日はここまで。
撮影の背景はまったく無視されるので、とくにスタジオなどは必要ないようで、今回の場合は、標準よりマクロの方が、同じ大きさでも精度の高いデータ取得になるようだった。

隣の部屋では上京webのデザイン画を持ってきてくれたAさんがKくんと10月合宿の調整をしている。お疲れ。
さあ、これを持って9月は東へ西へ。

« 大阪の地下鉄にはジャズが似合う | トップページ | なにわのことは夢のまた夢 »

夢告館」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 大阪の地下鉄にはジャズが似合う | トップページ | なにわのことは夢のまた夢 »