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2005年12月27日 (火)

同志社の近代歴史遺産を考える

Photo_1 少し前になるが、20日に京都府京都文化財団の主催による文化財講座を寒梅館でもった。聴衆は90人ほどの熱心な会だった。
例によって室町殿関係の話をしたが、一緒に京都府教育委員会のTさんが現在おこなっているクラーク館の解体修理を中心とした今出川キャンパスの近代建築について話をした。
学内であまり知られてはいないが、現在今出川キャンパスでは、クラーク館の解体修理をおこなっている。
神学館の北側にある覆屋がそれである。
始まったのは、まだ鋤柄が今出川キャンパスの発掘調査をおこなっていた頃で
2003年だっただろうか

覆屋をつくるための基礎工事でクラーク館の周囲を少し掘ったのが、このプロジェクトとの最初の関係だった
また、基礎の構造調査の一部にも立ち会った
現在その報告が出来上がりつつあるが、みごとに江戸時代の遺構面がみつかり、土器や鋳造関係の遺物が出土した
薩摩藩邸になる前の町家にともなうものだろう
ちなみに、クラーク館の西には薩摩藩邸のものと伝える井戸が残っている
(これはいずれ紹介)

その後、解体修理がはじまるのだが、これも学内の重要な歴史遺産であるため、専門外ではあるが、発掘調査と並行して、修理工事の記録保存もおこなうことにした
具体的には、デジタルビデオカメラとデジタルスチルカメラを準備して、工事を担当している京都府のTさんと連絡をとりあって、現場を歩き、工事の節目節目に当時4回生だったSくんとTくんが撮影をおこなった。また、建築に関心のあるアルバイトさんがいたので、彼女が撮影記録をとった。
現在もその仕事が引き継がれていると聞くので、解体修理が終了した後は、その膨大なデータを編集して、貴重な近代建築のさまざまな様子を学ぶことができることになっている。

前にも言ったことだが、同志社大学と言うところは、古代から近代まで生きた歴史資料がいたるところにあって、歴史を学びたいものにとってみれば、恵まれすぎるくらいの環境だと思う。
ただ、良くあることだが、あまりに環境が整いすぎていると、それに馴染んでしまって気づかずに過ごしてしまうことも多い。
20日の時も、Tさんによる今出川キャンパスの重要文化財の建物の説明を聞きながら、もっと学内の多くの学生くんに知ってもらいたいと思った。
文化情報学部についてみれば、近代建築様式のデジタルアーカイブ資料として、重要文化財の5つのデータ化ができることになる。さらに生きた修理工事の方法としても学ぶところが大きい。

修理工事は来年度から再建築に入る。
体がもうひとつあれば、年度内に近代建築のプロジェクトチームをつくるのだが

・読んだ本と読みたい本
綿貫友子2005「中世流通の東と西」『中世瀬戸内海の流通と交流』塙書房
田中正流2005「愛知川町の雛人形・五月飾り」『愛知川町史研究』愛知川町教育委員会
田中正流2004「皇室ゆかりの人形文化」『郷玩文化』12
田中正流2004「疱瘡と猩々人形に関する一考察」『日本人形玩具学会誌』15
黒田慶一ほか2005「高石市伽羅橋遺跡の軒瓦について」『大阪文化財研究』28
黒田慶一2004「韓国の最近の倭城調査について」『韓国の倭城と壬辰倭乱』岩田書店
黒田慶一ほか2000「豊臣氏大坂城と宇喜多氏岡山城の同笵瓦」『大坂城と城下町』
黒田慶一2005「歴史的名辞としての大坂城「三の丸」」『森宏之君追討城郭論集』織豊期城郭研究会
宇野隆夫2005「第5章 飛鳥・奈良・平安時代ほか」『新修豊中市史』第4巻 考古
北海道埋蔵文化財センター2005『遺跡が語る北海道の歴史』
兵庫陶芸美術館2005『やきもののふるさと丹波』
櫻井茂昭2005『六郷山と田染荘遺跡』同成社
小山靖憲・平雅行1995『荘園に生きる人々』和泉書院

・来年度のプロジェクト授業で宿題にする予定のレポート
清水真澄2005「法隆寺東院夢殿久世観音の細部モチーフにみえる中国北斉時代の要素」『文化史学』61
服部敦子2005「対馬歴史民俗資料館蔵海獣葡萄鏡について」『文化史学』61

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