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2005年12月 1日 (木)

星の数ほど

上京歴史探訪館では、webだけでなく紙媒体による歴史遺産活用もおこなっている。
その具体的な成果品として現在すすめているのが「上京探索マップ」の製作である。
すでに昨年度そのバージョン1が上京区から刊行され、大好評を博している。
現在作成しているのはその第2弾になる。
前回の散策テーマは、「平安京界隈を歩く」「説話のあとを歩く」「茶の湯にゆかりの道をあるく」「京都御所周辺を歩く」というものだったが、今回は歴史探訪館の開館にあわせて「歴史」をテーマとして前面に押し出している。
基本的なレイアウトは第1弾と同じであるが、4つのテーマを時代に変えて、「平安時代」「鎌倉時代」「室町時代」「江戸時代」それぞれの時代にちなむ上京区内の歴史遺産をめぐるコースを考えた。
一昨日上京区で打ち合わせをして、昨日夢告館で打ち合わせをしてほぼ全体がかたまった。
昨日の打ち合わせでは、上回生の作成してきた文章に1回生が質問をして検討がおこなわれるなど、すっかりコロキアム。愉快愉快
一部撮り直しのカットもあるが、昨夜最初のデータを印刷屋さんに送った。
できれば1月28日には刊行したい。

一昨日の上京区役所では、もうひとつの地域連携プロジェクトである「上京知恵袋」の打ち合わせもおこなわれた。すでに夏の歳時記は、学区毎にデータをいただきおおまかな整理ができている。次はなんといっても年末年始の上京の歳時記である。
12月13日が事始めという年末年始の支度開始という。できれば上京の各地でおこなわれるさまざまな日常をリアルタイムでアーカイブしながらデータ化をしていきたいと考えている。
ということを打ち合わせの席上で言っていたら
「それなら年末年始を上京ですごさはったら」と言われ
ついその気になってしまい、今年の年末年始は上京で過ごすことになった
信濃を出てきて四半世紀以上たったが、都の年越しを経験するのは今回が初めてである。
聞くところによれば、カウントダウンが近づくと寺町界隈ではいたるところから鐘の音が聞こえ、それはそれは荘厳な雰囲気らしい
上京のプロジェクトはこの一ヶ月ほどで一気に押し進められることになる

というわけでとくに紙判の「上京探索マップ」の編集をおこなっている3回生と院生は現在大詰めで大変である
昼間は授業と整理室の業務があり、その合間と夜になって取材をして資料を調べ原稿を書いている
そしてその中から自分の専門テーマを熟成している
しっかり社会人してるという感じである

ところで鋤柄はどうも変な癖があって
列車の揺れが無いと原稿に集中できないとか、23時を過ぎないと原稿が書けないとか
これはひとえに14年間いわゆる埋蔵文化財の行政調査を担当していたことが最も大きな原因となっている。
11年間は通年で発掘調査をおこない、同時に調査の報告書もつくっていた。1年間は事務局勤務をしていた。2年間は大阪城跡の報告書をつくっていた。
そしてそれと同時に色々な原稿も書いていた。
現場で発掘をおこない、博物館で展示や普及活動をおこなっている多くの仲間もみな同じであるが、昼間は当然業務に専念しなければならない。勤務時間中は現場にたち(幸か不幸か一瞬でも目を離せない現場が多かったので)、業務としてのやるべきことの段取りをつける。
自分の原稿を書くのは家に帰ってやれやれとなってからである。当然締め切りが近づくと原稿の途中であっても翌日の仕事に支障があるので2時までを限度としてその日に書いたものをプリントアウトする。
それを推敲するのが通勤電車の中だった。
ゆえ、この業界に生息する人間にとって、メリハリのある時間配分はいたってあたりまえのことで、ベースとなる研究はしっかり持続するものの、段取り力と集中力を頼りに日々の仕事をこなしていって、締め切りを延ばすなんてことは、後の自分の仕事の支障になって、なんの得にもならないので、これまでまずしたことが無かった。
そんな生活をずっとしてきていたので、そのペースが今もなお続いているということになる。

現在の環境に移って6年になろうとしているので、もう少しこの状況を変えるべきかとも思っていたが、実は森浩一先生の研究スタイルも同様であることを最近あらためて感じている。
校務と並行しながら各地を精力的にまわり、刺激的なシンポジウムやプロジェクトを数多く立ち上げ、多くの著書を発表してきている。
今日も、いったいどこからこんなアイデアが湧いてくるのだろうと思いながら話を聞き、知的刺激を受け、鋤柄のやっていることはまだまだ甘いと思った。歴史というのは、やはり意味のある蓄積がものを言う学問なのである。
新しい授業科目もはじまる。
やるべきことは星の数ほど。
これまで以上に集中力と段取り力を鍛えて、メリハリのある仕事をしていこう。

それにしても一昨日の七五三太は旨かった。

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