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2006年1月12日 (木)

黒田日出男さんの群馬学の確立にむけて

森先生から平成16年度に、群馬県立女子大学でおこなわれた群馬学連続シンポジウムの記録集をもらった
第1回のシンポジウムで基調講演にたった森先生は地域学としての群馬のもつ「再生力」と「古代における卓越した文字の習熟度」が語られた。遺跡と遺跡から見つかった歴史情報を地域の特徴として解釈する見方はさすがである。
しかもそれを全体史を見直すキーワードとしても活かしている。学ぶことが多い。

なにげなく次の項目を見ていたら、東京大学の史料編纂所におられた黒田日出男さんがシンポジウムのメンバーになっていた
『謎解き洛中洛外図』でも有名な歴史家である
その内容を読んでいて「さすが」と思ったことがあった
黒田さんは群馬学をおしすすめるために3つの提案をしていた
第1の提案は「開かれた」研究のスタイルである
戦後の古代史には井上光貞先生や岸俊男先生に代表される「超特大な実証力を持った歴史家」がいた
ところがどんどん小粒になっていって
極端な場合、限られた時代の限られたテーマを専門にすると言って平気になってしまっていると。
それではだめで、地域学を本気でするならば、地域というテーマにかかわるあらゆる学問的なテーマについて「開かれた方法論や考え方をもって挑戦していくべきだ」と
特定のコンテンツについてやるだけではなく「開かれた学問の方法的な多様性と、いわばそれを渡り歩くようなスタイルの研究が必要である」と
それは「一種の総合性かもしれないし、多元的な方法論ということであるかもしれない」と

考古学を含む現在の歴史研究に最も求められている考え方であり、常に森先生が遺跡学あるいは地域学の意味として話をしてきたことである
これまでも繰り返してきたように、鋤柄が文化情報学部でめざす考古学の研究はまさにこのことであるが、いよいよ来年度から本格化する授業に熱が入りそうである

ちなみに黒田さんは、第2の提案として身体表現をあげている。関東や東北は関西とは違う身体表現があると言う。あくまで歴史家の発言である。非常に興味深いが、創造力が不足しており、これについてはうまく理解できない

本日の読まなければいけない本
・杉本宏2005『宇治遺跡群』同成社
・村井章介編集2005『港町と海域世界』青木書店
・佐々木幹雄 斎藤正憲2005『世界の土器づくり』
・菱田哲郎2005「古代日本における仏教の普及」『考古学研究』52-3

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