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2006年7月28日 (金)

美のかけはし

京都国立博物館の開館110周年記念特別展である
著名な作品がずらりと並び、生の資料の迫力が部屋一杯に満ちている

入るといきなり後白河法皇と顔を合わせる
「後白河法皇像」14世紀(神護寺)
隣を見れば、あの有名な「文覚四五箇条起請文」の赤い掌の印が目に飛び込んでくる
春学期の間、鳥羽離宮や重源や善光寺に関わっていたため思わず挨拶
藤原為家が1236年に写した「土佐日記」に感嘆して後ろを振り向くと
恰幅の良い平清盛と九条兼実が並んで座っている
「公家列影図」13世紀(京都国立博物館)

面白かったのは「白描絵料紙金光明経第三(無目経)」1192
絵巻の下絵を継いで経のベースにしているもので、文字の間に線描きの下絵が見える
元の絵のストーリーは不明とのことだが、高精細デジタルアーカイブにして下絵の検討ができたらと思う
「平家物語絵巻」は、岡山の大原美術館が有名だが
ここでは墨絵の「平家物語絵巻」が見られる

あの有名な方広寺の梵鐘拓本と大仏雛形と巴文の大瓦にも圧倒され
「柳橋水車図屏風」を見て、あらためて現世の浄土、平等院に思いを馳せる
雪舟の「天橋立図」を見て成相寺を思い出し、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」に感動
まだ写真撮影が大変だった頃、博物館では展示品の詳細な縮図をつくっていたそうで
後の部屋にはその展示があったが、それも見事なもの

太田牛一の「信長公記」と桶狭間の戦いで今川義元から信長が奪った刀まで来る頃には
すっかり歴史の重みが体中に充満してしまったが
再び『一遍聖絵』の有名な筑前の武士の館と備前福岡の市の場面をしっかり堪能して
方広寺の石垣を見ながら正門を出る
必見の展覧会だと思う

気がついたら今年の祇園祭も終わっていく
今年はほとんど祭に入ることが出来なかった
とても悔やまれる
祇園祭は平安期のコンセプトが大きく中世に変わり
元気な下京の町衆(ちょうしゅう)達が主人公になって現在に続いていると言う
現在の山鉾は、その象徴だと言われているが
それぞれの山鉾のエピソードと各町の関係についてはあまり詳しく語られていないと思う
その点で蟷螂山は秀逸である
秋学期の文化史特論では、この点に注目した検討をしてみたい


藤本史子ほか2006『兵庫津遺跡』大手前大学史学研究所オープンリサーチセンター
10月1日に岡山大学で瀬戸内の流通の研究会

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