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2006年9月11日 (月)

格闘の跡

当初の計画から10日も遅れてしまったが、なんとか原稿をひとつ形にすることができた。
できれば今月中にあと2本片付けておきたいとは思うが
鳥羽と宇治と

9日(土)に平安宮正親司(おおきみのつかさ)跡発掘調査現地説明会に行く
今出川から過日購入した自転車を転がす
思えばもっと早く気づいて入手しておけば良かったと西陣の風を切りながら思う
現地説明会の場所は仁和寺小学校のすぐ南
烏丸今出川から西へ向かい、大宮からここが千両ケ辻かと思いながら下がり
一条通を西へ智恵光院に突き当たるまで行って、中立売の商店街を見ながら二町ほど下がった立本寺の角を西へ曲がった仁和寺街道の先
別の言い方をすれば、北野天神さんの南南東約400m
あるいは、東京座標でhttp://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E135.44.22.66N35.1.15.814&ZM=12

比較的面積の広い平安宮の調査は稀で、今回は平安時代前期の溝や土坑や建物がみつかったと言う
よく授業で言っているが、遺跡はなんでも地下深くにあるわけではなく
とくに都市遺跡の場合は開発の多寡が遺跡の深さに比例することが多い
それで京都の場合も左京の四条あたりはとても深く、逆に右京や洛外は浅いのだが
ここもその例に従い、平安時代まで1mほど
Sany0559 しかも平安時代の次の層は近世というから
右京の開発の様子がそれだけでも推し量れることになる
好天に恵まれ、百数十人の見学者に混じって秋学期のネタを考えながら、しばし時をすごす

帰り道で、淳和院にちなむ寺院をみかけPhoto_16 、写真を撮り
西陣と言えば、高橋康夫さんの『京都中世都市史研究』1983に「西陣の成立」があるが
そうそう安居院(あぐい)も調べないといけないと思い
網野先生か細川先生かと思いながら
マップづくりに思いを馳せる

ところで最近携帯による無料のPCサイトビュアーが頑張っている
共にパケット定額でないと大変だが
http://ax-m.jp/http://lupo.jp/で提供されている
近鉄電車の中で、PCを開かなくても国会図書館や京都府立図書館や奈良県立図書情報館や奈良大学図書館の図書検索ができ、wikiで調べ物ができるのがありがたい
ずっと携帯による歴史遺産活用を模索してきたが
これでgooglemapが見られたらかなり期待できるマシンとなる
とくに鋤柄の携帯はディスプレイが2.6インチなので視界も遜色ない
千本丸太町へ行って説明しようと思ってどうしても臨場感の出ないことが悔しく
どこでも情報マシンの携帯活用を思ったのがきっかけだが
それもまもなくな時代だと思う
そのためにも、しっかりしたコンテンツを元に歴史を語れる人材を育てないといけない
秋学期からゆっくり勉強会を始めよう

参考までに、格闘の跡Photo_15 と参考文献リストの一部を
・小林保夫 一九八四年「淀津の形成と展開」『年報中世史研究』九
・西岡虎之助 一九七八年「荘園の倉庫より荘園の港湾への発展」『荘園史の研究』(上巻)岩波書店
・吉田敬市 一九三二年「山城盆地に於ける河川交通の変遷(1)~(4)」『歴史と地理』第二九巻第三~六号
・吉田敬市 一九三三年「淀付近の地形変遷と奈良街道の移動」『歴史と地理』第三二巻第三号
・田良島哲 一九八五年「中世淀津と石清水神人」『史林』
・林正次郎 一九八三年「淀町人考」『琵琶湖・淀川・大和川』大明堂
・小野晃嗣 一九三七年「卸売市場としての淀魚市の発達(上・下)『歴史地理』第六五巻第五・六号
・豊田武 一九八二年「中世日本商業史の研究」『中世日本の商業』(豊田武著作集第2巻)吉川弘文館
・大村拓生 二〇〇六年『中世京都首都論』吉川弘文館
・田良島哲 一九八五年「中世の寺社境内と市庭-石清水八幡宮の事例から-」『史潮』
・藤本史子 一九九九年「中世八幡町の空間復原と都市構造」『年報都市史研究』七
・高橋美久二 一九九三年「「弘福寺田数帳」と木津川河床遺跡」『平安京歴史研究』
・高橋慎一朗 一九九二年「空間としての六波羅」『史学雑誌』一〇一-六
・美川圭 二〇〇二年「京・白河・鳥羽」『院政の展開と内乱』(日本の時代史七)吉川弘文館
・脇田晴子 一九八一年『日本中世都市論』東京大学出版会
・上原真人 一九九五年「京都における鎌倉時代の造瓦体制」『文化財論叢』二 奈良国立文化財研究所
・山崎信二 二〇〇〇年『中世瓦の研究』奈良国立文化財研究所。
・龍粛 一九五七年「西園寺家の興隆とその財力」『鎌倉時代』下 春秋社
・美川圭 二〇〇二年「京・白河・鳥羽」『院政の展開と内乱』(日本の時代史七)吉川弘文館
・五味文彦 一九九五年『大仏再見』講談社メチエ
・秋山國三・仲村研 一九七五年『京都「町」の研究』法政大学出版局
・五味文彦 二〇〇三年「京・鎌倉の王権」『京・鎌倉の王権』(日本の時代史八)吉川弘文館
・横山尚恵 二〇〇〇年「五辻斎院 頌子内親王」『中世探訪紀伊国南部荘と高田土居-検注を拒否した人々- : 高野山領南部荘故地における荘園遺跡の復元研究』文部省科学研究費補助金研究成果報告書
・高橋康夫 一九八三年「北辺の地域変容ー十二世紀以降ー」「鎌倉時代における北辺道路網」『京都中世都市史研究』思文閣出版
・網野善彦 一九九二年「西園寺家とその所領」『国史学』一四六
・本郷和人 二〇〇一年「西園寺氏再考」『日本歴史』六三四
・網野善彦 一九九六年「西の京と北野社」『日本中世都市の世界』筑摩書房
・細川涼一 二〇〇二年「「北野天神縁起」と鎌倉時代の北野社」『鎌倉期社会と史料論』東京堂出版
・小野晃嗣 一九八九年「北野麹座に就きて」『日本中世商業史の研究』法政大学出版局
・榊原照枝 二〇〇一年「後鳥羽院の北野信仰」『語文』一〇九にある。
・川上貢 二〇〇二年『新訂 日本中世住宅の研究』中央公論美術出版
・高橋康夫 一九九九年「日本中世の「王都」」『年報 都市史研究』七 山川出版社

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