« 考古学・歴史文化情報の勉強会です | トップページ | 頂法寺 »

2006年10月22日 (日)

文化史特論エクスカーションと西陣プロジェクトとそれから

本日は文化史特論のエクスカーション
国土交通省中部地方整備局のサイトによれば、「エクスカーションは従来の見学会や説明を受けるタイプの視察とは異なり、訪れた場所で案内人の解説に耳を傾けながら参加者も意見を交わし、地域の自然や歴史、文化など、さまざまな学術的内容で専門家の解説を聞くと共に、参加者も現地での体験や議論を行い社会資本に対する理解を深めていく「体験型の見学会」」とのこと
現地での体験や議論を行い社会資本に対する理解を深めていくというフレーズはとても意味のある内容を含んでおり、良い表現だと思う

1022 今回は、京都の歴史の中で最も知られていない鎌倉時代について考えるをテーマに、それを具体的に物語る資料をたどるツアー
メンバーは文化史特論の受講生と文化情報の学生と文学部からの合わせて10名
手がかりは石造品
石造品というのは、どちらかというとあまり目立たない資料だが、多くの場所にあって地表面に露出していながら風化しにくく失われにくいため、実は有効な資料

Sany0978 平安京の基準地点を代表する船岡山から出発して、岩盤を確認しながら建勲神社から引接寺へ
以前のブログで紹介したように主に上京区の石造品をめぐる
小野篁に関わり千本閻魔堂と呼ばれて五山の送り火の時は精霊迎えで賑わうこの寺には、迫力ある閻魔像以外に、紫式部にちなむ石塔と室町時代の銘をもつ梵鐘がある
石像寺は釘抜き地蔵で有名だが、裏の小堂に重要文化財の石仏があり、その奥には弘法大師由来の井戸が水をたたえている
千本釈迦堂で、市内で唯一残る鎌倉時代の本堂(国宝)の美しさに感動した後、藤原定Sany1008 家にちなむ般舟院陵には入れなかったが、不思議な岩上祠社の磐座を見て、大宮を上がって西法寺に着いたのは4時少し前
ここには見事な鎌倉時代の五輪塔板碑と五輪塔がある
当たり前かもしれないが、京都の歴史の中で一番わかりにくい鎌倉時代が実物で目の前にある
東へ出ればすぐに堀川通、すぐ南にあるのが古田織部にちなむ興聖寺で、堀川を南に渡れば今日庵と不審庵

やはり、京都というところは奥が深い

16時半に寒梅館の保存遺跡の説明をして解散
皆さん、新しい発見があったでしょうか

引き続いて寒梅館で西陣プロジェクトのミーティング
こちらのメンバーはリーダーの京大院のMさん、文のMさんと文化情報のNさんと臨時のアドバイザーの文のMさん
前回のミーティングをふまえてコンテンツのほぼ確定(担当者)

①妙蓮寺(M)
②雨宝院(M)
③本隆寺(M)
④おかめさん(T)
⑤岩上神社(M)
⑥智恵光院(T)
⑦引接寺(T)
⑧西法寺(T)
⑨石像寺(T)
⑩茶くれん寺(京大M)
⑪日暮通(N)
⑫清明神社(文N)
⑬和菓子(文N)
⑭千家十職(京大M)
⑮高機(京大M)
⑯織屋建て(京大M)
⑰紋屋町(京大M)
⑱つづれ織り(京大M)
⑲映画館古写真(N)
⑳千本中立売周辺街並み(N)

般舟院陵の石造品と鳴虎報恩寺のエピソードはマップ面に書き込みましょう

次回のミーティングは11月5日で原稿と写真の読み合わせをしましょう
西陣の風景を8カット(ひとつは西陣碑)とこだわりの道案内もできるだけ

それから
『それから』と言えば、夏目漱石の有名な作品をすぐに思い浮かべるが
それから、である
史料編纂所のデータベースを前にして
古記録の本文データベースにヒットした1000余の鳥羽関係項目を、史料綱文データベースでヒットした3000余の鳥羽関係項目と重複のチェックをしながら
あれやこれやと頭をめぐらす
史料綱文データベースを元に1年毎に属性を分けてチェックを入れた表を作成し
次に古記録データベースを元に横軸に1月~12月、縦軸に1日~30日の表をつくって、1087年から1232年までの毎日の記録をとりなおそうと思って途中までチェックを入れていたが、どうもあまり効率が良くないようなので
これまでつくった資料は一遍脇に置いて
結局「和年号」「西暦」「月」「日」「内容」「出典」のスプレッドシート形式のデータベースを、史料綱文と古記録と平安遺文とあわせて1184年まで作成していくことに
あっちへ行ってこっちへ行って
コンピュータが活用されるようになって、表面的にはいろいろなことが手軽に素早くスマートにできるように見えるが
それはあくまで表面上のことで大きな勘違い
それを生み出す過程は、今も昔も地味で地道なあっちへいったりこっちへいったりの試行錯誤と右往左往の経験の蓄積
それが実は一番大事で重要なこと
学生君たちには、出来上がったコンテンツだけではなく、そんな姿もしっかり見て欲しいと思う

« 考古学・歴史文化情報の勉強会です | トップページ | 頂法寺 »

上京」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 考古学・歴史文化情報の勉強会です | トップページ | 頂法寺 »