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2008年5月29日 (木)

橿原考古学研究所附属博物館で埴輪の三次元アーカイブ映像が見られます

先月から開催されている橿原考古学研究所付属博物館の春季特別展は
「はにわ人と動物たち 大和の埴輪 大集合」
その前半のピークとなったゴールデンウィークの三日間
博物館のご協力により
閉館後の時間にVIVID910で埴輪の三次元アーカイブをおこなってきました
その成果の一部として
先週から博物館のエントランスで
動画に編集した三次元アーカイブの埴輪の映像を見ていただくことができます

埴輪は三体
荒蒔古墳の弦楽器をもつ人物
池田9号墳の靫を背負う男性
石見遺跡の椅子に座る男性です
映像はそれぞれの埴輪がゆっくり回転し
ポイントとなる所でズームインして
細かな模様も見ることができます
圧巻は
真正面から見ている石見の男性の視点が
ゆっくり上からに移動し
やがて真上から椅子に座った姿を見下ろし
その回転する様を見るところでしょう
まるでクレーンにカメラを取り付けて撮影しているようですが
レーザーで三次元撮影したものを
パソコンの中で動かして記録した映像です

VIVID910を利用したこのプロジェクトの目的は大きくふたつありました
ひとつは考古資料の詳細調査に必要な記録法の研究です
なにしろこの機械を使えば
1ミリ四方に数点という高密度な測点をもった三次元実測図ができあがるからです
これまでの実測図とあわせて
より詳細で綿密な調査のできる可能性があります
さらにこのデータは
これまでの実測図や写真にくらべて
おそらく、より実物に近いかたちで見ることの出来るデータでもあるため
多くの人がそのデータを共有することにより
この分野の研究を大きくすすめる原動力にもなるでしょう
実物資料の熟覧に勝るものはありませんが
それに近いかたちで資料に接し
それを多くの人が議論する
研究はまた一歩理想に近づくことになります

もうひとつはもちろん博物館などでの新しい展示法の検討です
現在公開されている動画を御覧いただければ納得されると思いますが
三次元体を三次元体で見るということは
当たり前ですが
それを造った人や
それを使った人の目線に
より近い形で向かうことができることを意味します
何げなくぐるぐる回しているだけでも
これまで気づかなかったことが
見えてくる可能性があります
それから
こういったデジタル資料を元あった場所に戻して
できるだけ忠実にその時の風景を再現するといったことも可能になります
これは、うちの研究室のメインテーマである
歴史的景観復原に直接つながる研究でもあります

VIVID910でとったデータはVRMLで書き出せば
Acrobat 3Dでpdfに変換することができます
三次元アーカイブはかなり身近な存在と研究になってきています

ご協力いただきました博物館の方々に
深くお礼を申し上げます

それから
計測と撮影の手伝いをしてくれたコニカミノルタの中尾さん
計測と撮影の手伝いに加えて動画編集もしてくれた
ゼミ1期生の渡邊俊祐くん
ご苦労さまでした
良い仕事をありがとう

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